Round Table Discussion:座談会
アルコール関連問題の早期介入
杠 岳文
1
,
太田 順一郎
2
,
後藤 雅子
3
,
井戸 由美子
4
,
吉本 尚
5
1独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター院長
2岡山市こころの健康センター所長
3寝屋川保健所地域保健課課長
4特定医療法人大阪精神医学研究所新阿武山病院栄養給食室室長
5筑波大学医学医療系地域医療教育学/筑波大学附属病院総合診療科講師
pp.12-19
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.03.02_0012-0019
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アルコール依存症は「否認の病」とも言われ、みずから専門医を受診し、断酒に挑むケースは稀である。そのため、潜在するアルコール依存症・ハイリスク患者を見つけ出し、早期介入につなげることの重要性が唱えられている。また、従来、アルコール依存症治療の有効性を評価する基準として断酒が用いられてきたが、早期介入に連動して節酒の概念も導入され始めるなど、問題解決のアプローチに変化の兆しが見えつつある。今回は、アルコール関連問題に関する早期介入の実際について、さまざまな医療機関や職域、地域の立場からお話を伺った。「アルコール医療における早期介入について」杠:近年、精神科医療の領域においては早期介入という用語を耳にする機会が増えてきました。アルコール医療においては、すでに依存症であるのに専門治療を受けておらず、健康問題だけでなく飲酒運転やDV、虐待などの問題を抱えている方への介入と、hazardous use(危険な使用)やharmful use(有害な使用)といわれる、その前段階にある方への2次予防が該当すると考えられます(図)。
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