一般内科診療で役立つうつ病の知識-こころの問題にどう対処するか 特殊な病態への対応
アルコール依存・薬物依存
大坪 万里沙
1
,
武藤 岳夫
,
杠 岳文
1国立病院機構肥前精神医療センター
キーワード:
アルコール依存症
,
うつ病
,
自殺
,
早期医療介入
Keyword:
Alcoholism
,
Depressive Disorder
,
Suicide
,
Early Medical Intervention
pp.267-270
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015095436
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アルコール依存症とうつ病は高率に合併する.発症の時間的関係に基づいて一次性と二次性に分類される.アルコールにはそれ自体がうつ状態を惹起する作用があり,すでにうつ病に罹患している患者が飲酒をするとうつ病が悪化する.アルコール依存症とうつ病の併存例では,自殺のリスクも高い.専門治療を受けているアルコール依存症患者は,推計患者数のごく一部にすぎないと推測されており,早期の診断と専門治療導入が望まれる.アルコール依存症とうつ病が併存する患者では,一定の断酒期間を設けて抑うつ状態の評価を行うことが望ましく,SSRIなどによる薬物療法を行う際も断酒が前提となる.薬物依存では「医薬品乱用群」にうつ病との併存例が多く認められる.
©Nankodo Co., Ltd., 2015