Summing Up
緑内障の病態―乳頭出血と緑内障進行に関する論文をレビューして―
新田 耕治
1
1福井県済生会病院 眼科部長
pp.20-30
発行日 2025年8月29日
Published Date 2025/8/29
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.70_0020-0030
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乳頭出血(DH)の主な特徴(形態,再発率,持続期間,緑内障における発症率の増加,正常眼圧緑内障〔NTG〕における役割)は,2000年までに数々の研究がなされ,緑内障進行における危険因子としてDHが認知されるようになった.近年では光干渉断層計(OCT)や光干渉断層血管撮影(OCTA)の普及により,特に緑内障眼の構造的進行に随伴するDHとしてその機序解明に焦点が当たっている.それにもかかわらず,視神経乳頭出血の発生メカニズムとその緑内障進行との関係はいまだ明らかになっていない.本稿ではDHの機序,DHの形状と緑内障進行,OCTやOCTAとの関連性,全身的因子との関係などについて2015年から10年間に発表されたDHに関する論文をレビューしたい.

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