目でみるシリーズ 画像でみる緑内障の病態
第21回 ヘモグロビンビデオイメージングで房水静脈を診る
小森 涼平
1
,
稲谷 大
2
1福井大学医学部眼科学教室
2福井大学医学部眼科学教室 教授
pp.1-5
発行日 2023年8月30日
Published Date 2023/8/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.66_0001-0005
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現在,低侵襲緑内障手術(minimally invasive glaucoma surgery:MIGS)が広く浸透しており,主経路の房水流出動態が注目されている.特に近年,MIGSと上強膜静脈・房水静脈といった強結膜血管との関連性が報告されている1)-3).従来,強結膜血管を評価する方法としてフルオレセインなどの造影剤が使用されてきたが薬剤アレルギーなどが生じる可能性があり,検査には侵襲を伴う4)-6).そこで,侵襲がなく短時間で検査可能な前眼部光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography:OCTA)が強結膜血管の評価に使用され始めている7).この前眼部OCTAを用いて術前の強結膜血管密度を評価し,血管密度が低い症例ではMIGS術後の眼圧下降が良好であったとの報告がある8).また,前眼部OCTA以外に侵襲を伴わず強結膜血管を評価できるもう1つの方法としてヘモグロビンビデオイメージング(hemoglobin video imaging:HVI)があり,これを用いてMIGS後の房水静脈を評価した報告もされている9).このように非侵襲的に強結膜血管を可視化する重要性が高まっている.そこで今回,日常診療でもすぐに実践可能なHVIを用いた房水静脈の診かたについて紹介する.また,筆者らはRhoキナーゼ(Rho-associated protein kinase:ROCK)阻害薬のリパスジルとラタノプロストを点眼したときのヒト房水静脈の変化を,このHVIを用いて比較検討したのであわせて紹介する10).
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