特集 エイジング
エイジングとビタミン
石神 昭人
1
1東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム分子老化制御研究部長
pp.17-21
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.02_0017-0021
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「Summary」ビタミンCは水溶性ビタミンの1種であり,活性酸素種を消去する。老化の原因のひとつは活性酸素種の異常な増加やその蓄積による障害と考えられている。われわれはビタミンCを体内でつくれないマウス(SMP30遺伝子欠損マウス)を開発し,ビタミンCの不足状態が長期間にわたり継続的に続くと寿命が短くなることを見出した。また,高齢女性(70~84歳)を対象とした横断調査により,血中ビタミンC濃度が高い高齢女性ほど握力が強い傾向も見出した。このようにビタミンCは老化と密接な関係にある。「はじめに」Aging(エイジング)の日本語訳は,“加齢”または“老化”の両方が用いられる。しかし,日本語での“加齢”と“老化”の意味はまったく異なる(図1)。“加齢”とはヒトが生まれてから死ぬまでの時間経過,すなわち暦年齢を示す。「Key words」ビタミンC,老化,活性酸素,握力,寿命
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