特集 エイジング
エイジング関連遺伝子の最新情報
下川 功
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1長崎大学医学部病理学講座/長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授
pp.11-16
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.02_0011-0016
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「Summary」エイジングや寿命は,遺伝子と環境の相互作用によって制御される複雑な過程であると理解されてきた。近年,大規模な遺伝子発現解析やシークエンシングによって,長寿者に頻度の高い遺伝子アレルが同定されてきた。一方,実験動物では,単一の遺伝子の変異によって長寿命化することが報告された。カロリー制限(CR)による寿命延長に必要な遺伝子も報告されている。これらによって,動物の寿命や老化の制御機構が分子,遺伝子レベルで進んでいる。最も注目されているシグナル系はIGF-1-FOXO/mTOR系である。「はじめに」エイジングの速度や寿命は,多因子,つまり複数の遺伝子と環境の相互作用によって変化すると考えられてきた。ヒトにおける遺伝学的解析では,90歳以上の超高齢期まで生存する確率や疾患をもたない健康寿命が20~35%は遺伝性であることを示唆している1)。複数の研究において,ヒトの長寿と関連性が指摘されてきた遺伝子は,APOEとFOXO3(もしくはFOXO3A)である1)。「Key words」寿命遺伝子,IGF-1,FOXO,mTOR,カロリー制限
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