連載 ゲノム医療の現状
家族性高コレステロール血症におけるゲノム医療
多田 隼人
1
1金沢大学附属病院循環器内科 助教/金沢大学大学院先進予防医学研究科 循環器予防医学 助教
pp.42-47
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.01_0042-0047
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家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia:FH)はLDL受容体およびその関連タンパクの遺伝的機能障害に伴い著明な高LDLコレステロール血症、腱黄色腫、早発性冠動脈疾患を呈する常染色体顕性遺伝性疾患で、約300人に1人認められるcommon diseaseであるものの、その診断率は約2.6%とされる。2022年度から本症に対する遺伝学的検査は保険収載され、さらには近年のPCSK9阻害薬などを含む強力なLDL低下薬の開発も併せ、診断および治療が完成形に近づきつつある。遺伝学的検査を診断のみならず強力な治療薬のコンパニオン診断として用いる個別化医療・ゲノム医療は既に実施可能であり、さらには来たる近未来には遺伝子の編集によるゲノム医療の活用が期待されている。

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