特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第10章 代謝・内分泌
家族性高コレステロール血症
岡﨑 啓明
1
1東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科
pp.944-948
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_944
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診断基準
家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia:FH)は,LDL代謝関連遺伝子に遺伝子変異のある単因子性高コレステロール血症である.原因遺伝子については後述するが,典型的には常染色体優性遺伝を示す.FHホモ接合体は幼小児期よりLDL-Cが著しく高値を示し,FHヘテロ接合体でもLDL-Cが生涯にわたって持続高値となるために,心血管病(cardiovascular disease:CVD)ハイリスクとなる.早期診断と早期治療が大切な疾患である.臨床所見として,角膜輪やアキレス腱肥厚などの腱黄色腫(コレステロールの沈着による)が特徴的ではあるが,これらを呈さないケースもあるため,注意が必要である.
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