病気のはなし
家族性高コレステロール血症
野原 淳
1
,
馬渕 宏
1
1金沢大学大学院医学系研究科脂質研究講座
pp.690-696
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102496
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サマリー
家族性高コレステロール血症は比較的頻度の高い遺伝性高脂血症である.ヘテロ接合体では,強力なスタチン製剤をエゼチミブやレジンと併用することで低比重リポ蛋白コレステロール(low density lipoprotein cholesterol,LDL-C)の50%前後の低下が可能となっており,無症状のうちからの早期診断・早期治療により心血管死のリスクを十分に低下できるようになってきた.しかし,現実には診断がついていない見逃し症例も多く,また未治療の家族がいる場合が多いことから積極的な診断が望まれる.薬物療法で効果不十分な冠疾患二次予防ヘテロ接合体,およびホモ接合体では,LDLアフェレーシスが最も確実に効果の期待できる治療法である.また,アンチセンス医薬品が実用段階に入りつつあり期待されている.
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