特集 間質性肺炎診療の今・未来
Ⅲ 間質性肺疾患研究の最前線 間質性肺炎における遺伝子研究
中西 智子
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
キーワード:
家族性間質性肺炎
,
ゲノム
,
肺移植
,
テロメア
Keyword:
家族性間質性肺炎
,
ゲノム
,
肺移植
,
テロメア
pp.53-57
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.03_0053-0057
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特発性間質性肺炎の疾患感受性遺伝子についての最初の報告は2001年であり,家族性間質性肺炎家系内で集積を認めたSFTPC遺伝子上のヘテロ接合型スプライシング変異である1)。SFTPCは肺胞サーファクタントをコードしている遺伝子であり,同遺伝子の変異をもった2型肺胞上皮は小胞体ストレスの悪化によってアポトーシスが誘導され肺の線維化を引き起こす可能性が示された2)。その後,家系の連鎖解析などによりABCA3 3),SFTPA1 4),SFTPA2 5)などの2型肺胞上皮を中心に発現している遺伝子の機能欠損変異(frameshift,nonsense,splicing,missenseなど)が家族性間質性肺炎に関連していることが報告された。「KEY WORDS」家族性間質性肺炎,ゲノム,肺移植,テロメア
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