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特集 特発性間質性肺炎を見直す―特発性間質性肺炎臨床の最新知見
遺伝性間質性肺炎(間質性肺炎と遺伝子)
Familial Pulmonary Fibrosis(Interstitial Pneumonia and Gene)
宮崎 泰成
1,2
,
岡本 師
1,2
Yasunari Miyazaki
1,2
,
Tsukasa Okamoto
1,2
1東京医科歯科大学保健管理センター
2東京医科歯科大学呼吸器内科
1Department of Integrated Pulmonology, Tokyo Medical and Dental University
2Department of Integrated Pulmonology, Tokyo Medical and Dental University
pp.154-159
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102153
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はじめに
遺伝性間質性肺炎は,家族性肺線維症(familial pulmonary fibrosis;FPF),家族性間質性肺炎(familial interstitial pneumonia),あるいは家族性特発性肺線維症(familial idiopathic pulmonary fibrosis)と呼ばれている.発端者の一等親以内の家族に2名以上の特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia;IIP)患者がいると定義されている1).最初の報告は1卵性双生児の姉妹例で1950年のことである2).しかし本疾患は浸透度の低い疾患で,高齢発症であるため,1990年代後半まで遺伝的なアプローチが難しく研究が進まなかった.その後ヒトの全ゲノムが解読されてポストゲノム時代に入り状況は変化してきている.次世代シークエンサーなど急速な技術革新があり,ハイスループットでかつ網羅的な解析が可能となり,間質性肺炎の疾患感受性遺伝子は脚光を浴びてきている.本疾患は浸透度の低い常染色体優性遺伝と考えられている3).浸透度の低い疾患というのは,様々な要因により遺伝子型が表現型に直接伝わらないということである.そこで図1のようにゲノムだけでなく,ゲノムから表現型にいたる各段階について整理して解説を行う.
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