特集 間質性肺炎診療の今・未来
Ⅰ 特発性間質性肺炎の診療 肺移植
芳川 豊史
1
1名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器外科学 教授
キーワード:
肺移植
,
間質性肺炎
,
生体肺移植
,
脳死肺移植
Keyword:
肺移植
,
間質性肺炎
,
生体肺移植
,
脳死肺移植
pp.33-36
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.03_0033-0036
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間質性肺炎は,肺の間質と呼ばれる肺胞隔壁に炎症や線維化をきたす一群の疾患の総称である。間質性肺炎には,膠原病,薬剤,放射線などの原因が明らかなものと原因不明のものがあり,後者は特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)といわれる。間質性肺炎は,良性疾患であるが,その予後は一般的に不良である。近年,複数の抗線維化薬などが開発されたが,その効果には限界があり,同薬を用いた治療に反応しない重症例には,肺移植が最後の治療オプションとなる。IIPsの一型である特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は,肺移植の適応疾患のなかでも,予後が最も悪い疾患であり,肺移植の適応や登録の時期,待機期間中の対応など,十分な注意が必要である。本稿では,肺移植がどのようなものであるかを,肺移植の歴史とわが国における肺移植の現状を紐解きながら説明する。「KEY WORDS」肺移植,間質性肺炎,生体肺移植,脳死肺移植
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