特集 プリオン病:その実態に迫る
動物のプリオン病 ~スクレイピー,牛海綿状脳症,慢性消耗病~
横山 隆
1
1農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門企画管理部長
キーワード:
プリオン
,
スクレイピー
,
牛海綿状脳症
,
慢性消耗病
Keyword:
プリオン
,
スクレイピー
,
牛海綿状脳症
,
慢性消耗病
pp.41-45
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.02_0041-0045
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プリオン病は伝達性海綿状脳症(transmissible spongiform encephalopathy;TSE)とも呼ばれ,ヒツジ・ヤギのスクレイピー,シカの慢性消耗病(chronic wasting disease;CWD),牛海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy;BSE),ネコ海綿状脳症(feline spongiform encephalopathy; FSE),伝達性ミンク脳症(transmissible mink encephalopathy;TME)など,ヒト以外の多くの動物種でも確認されている(表1,表2)1)。病原体であるプリオンは異常プリオン蛋白質(PrPSc)を主要構成成分とするが,このPrPScは宿主の正常プリオン蛋白質(PrPC)の構造異性体である1)。PrPCは動物種を越えて高い相同性を有することから,プリオン病は異種動物へ伝播する。一方で,PrPCのわずかなアミノ酸の違いが,異種動物への伝達のしにくさ(種の壁)にもつながっている。これまで,野外で関連性が示されたプリオン病は,BSEと変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)2)ならびにFSEなど限られており,多くの動物プリオン病の起源は明らかではない。「KEY WORDS」プリオン,スクレイピー,牛海綿状脳症,慢性消耗病
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