特集 プリオン病:その実態に迫る
ヒトのプリオン病 動物モデル
毛利 資郎
1
1東北大学大学院医学系研究科病態神経学分野客員教授
キーワード:
ヒト化マウスモデル
,
ヒトプリオン
,
感染性(伝達性)
,
プリオンの性状解析
Keyword:
ヒト化マウスモデル
,
ヒトプリオン
,
感染性(伝達性)
,
プリオンの性状解析
pp.33-39
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.02_0033-0039
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モデル動物は,動物を用いてヒトと同じ機構で病気を再現することが基本であり,病態の解析・解明,検査法,治療法の開発研究に不可欠のツールである。クールー(kuru)をチンパンジーに伝達させることにより,動物モデルを用いてヒトプリオン病が感染性を示すことを最初に証明したのは,この分野で最初のノーベル賞受賞者,ダニエル・カールトン・ガジュセック(Daniel Carleton Gajdusek)である。プリオン病を感染症として捉えると,動物モデルは病原体を感染させることで作製することが最も早道である。この分野で2人目のノーベル賞受賞者であるスタンリー・ベン・プルシナー(Stanley Ben Prusiner)のプリオン説以降は,プリオン蛋白質(PrP)が重要であると認識され,ヒトプリオン病の動物モデルもPrP遺伝子導入マウスの時代となった。この稿ではヒトプリオン病の動物モデルの歴史,ヒト型PrP遺伝子導入マウス(ヒト化マウス)の作製とヒト化マウスを用いたわれわれのヒトプリオン病研究の一端について紹介したい。「KEY WORDS」ヒト化マウスモデル,ヒトプリオン,感染性(伝達性),プリオンの性状解析
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