今月の主題 プリオン病とその診断
各論
牛海綿状脳症(BSE)の診断
林 浩子
1
,
横山 隆
1
Hiroko HAYASHI
1
,
Takashi YOKOYAMA
1
1独立行政法人農業技術研究機構動物衛生研究所プリオン病研究センター
キーワード:
牛海綿状脳症
,
PrPSc
,
診断
Keyword:
牛海綿状脳症
,
PrPSc
,
診断
pp.1533-1538
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905278
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牛海綿状脳症(bovine spongiformencephanopathy;BSE)は感染性蛋白質「プリオン」を原因とする致死性の中枢神経系疾患プリオン病または伝達性海綿状脳症の1つである.1996年にヒトの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病との関連が報じられたことから世界中で様々な社会問題を引き起こしている.昨年(2001年)9月の日本でのBSE初発生以降,全国の食肉衛生検査所で固相酵素免疫測定法(enzyme-linked immunosorbent assay;ELISA)を用いたスクリーニング検査が導入され,ウェスタンブロット法(Western blotting;WB)および免疫組織化学検査による確定診断体制が確立された.本稿ではBSEの診断に用いられる各種検査法について紹介するとともに,BSEにおける病変分布および異常プリオン蛋白質(PrPSc)の蓄積部位について述べ,適切な検査材料の採取について論じる.
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