特集 アルツハイマー型認知症診療のBreakthrough
アルツハイマー型認知症発症機構の解明はどこまで進んだか
間野 かがり
1
1東京大学医学部附属病院神経内科
キーワード:
アルツハイマー型認知症
,
発症機構
,
アミロイドβ
,
リン酸化tau
Keyword:
アルツハイマー型認知症
,
発症機構
,
アミロイドβ
,
リン酸化tau
pp.13-17
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.07_0013-0017
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「はじめに」アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)は,エピソード記憶の喪失を中核症状とし,進行性に種々の認知機能障害を呈する疾患である。認知症の最大の原因であると同時に,最多の神経変性疾患でもあり,高齢化が加速する社会において最も重要な疾患であることは論を俟たない。特に進行期においては,認知機能低下に伴った高度のADL(activities of daily living)障害から多くの介護を要し,その病態解明・治療法の開発は医療的問題という以上に,社会的意義も大きい。現今,コリンエステラーゼ阻害薬やN-メチル-D-アスパラギン酸(N-methyl-D-aspartic acid;NMDA)受容体拮抗薬を中心として,すでに障害された神経機能の調節を通してAD患者の認知機能の改善を図る対症療法は存在するものの,ADの病態に即した根本的治療薬はいまだ存在しない。病態解明には,遺伝子,生化学,病理とさまざまな角度からのアプローチが試みられており,アミロイド・カスケード仮説が重要な仮説として,現時点では最も支持を得ている。「KEY WORDS」アルツハイマー型認知症,発症機構,アミロイドβ,リン酸化tau
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