特集 つながる内分泌学―古典的な内分泌学から多分野への新たな展開―
Ⅲ.多臓器につながる
実は内分泌臓器だった 脳2(オキシトシン)
菊水 健史
1
1麻布大学獣医学部動物応用科学科介在動物学研究室
キーワード:
オキシトシン
,
分娩
,
射乳作用
,
絆形成
Keyword:
オキシトシン
,
分娩
,
射乳作用
,
絆形成
pp.1421-1426
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001238
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SUMMARY
▷オキシトシンは,広範な脊椎動物に保存される古典的な神経ペプチドであり,おもに母性ホルモンとして知られている.
▷分娩や射乳に関与する一方で,近年の研究により,母子間や異種間の絆形成,協力,共感,信頼などの社会機能に重要な役割を果たすことが明らかになってきた.
▷分娩時はオキシトシンが子宮収縮を促進し,射乳作用ではプロラクチンとともに乳汁分泌を助ける.
▷子育て行動や母子間の絆形成にも重要で,視床下部のオキシトシン神経系が中心的な役割を担う.
▷オキシトシンの研究は,個体レベルの行動から進化や社会形成の観点での理解を深める重要な手がかりとなっている.
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