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特集 オキシトシンの向精神作用と精神疾患治療応用への展望
ミクログリアにおけるオキシトシンの病態的役割
The pathophysiological roles of oxytocin on microglia
前島 裕子
1
Yuko MAEJIMA
1
1福島県立医科大学医学部病態制御薬理医学講座
キーワード:
オキシトシン
,
ミクログリア
,
精神疾患
Keyword:
オキシトシン
,
ミクログリア
,
精神疾患
pp.138-141
発行日 2023年7月8日
Published Date 2023/7/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28602138
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近年,多数の精神疾患・ストレスにおける病態機序としてミクログリアと脳内炎症の関係が注目されている.ミクログリアは脳内の免疫細胞であり,炎症反応のみならず,脳の発達過程におけるシナプスの刈り込み,神経回路の構築,メンテナンス,不要シナプスや死細胞の除去などを介して脳内の恒常性を維持する役割を果たす.一方,オキシトシンは近年,抗肥満作用や向社会行動,自閉症症状や統合失調症の改善,不安やストレス反応の緩和などで注目されている神経ペプチドである.そのオキシトシンの受容体がミクログリアに発現しており,抗炎症作用を示すことが報告されている.さらに筆者らは最近,オキシトシンそのものがヒトおよびマウスのミクログリアに発現していることを報告した.本稿では,ミクログリアに対するオキシトシンの作用および精神疾患との関係について紹介する.
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