Japanese
English
特集 関わり合う脳
Ⅰ.他者と関わる脳
オキシトシンが制御する,メダカの親密度依存の社会性行動
Oxytocin regulates familiarity-dependent social behaviors in medaka
横井 佐織
1
Yokoi Saori
1
1北海道大学大学院薬学研究院RNA生物学研究室
キーワード:
オキシトシン
,
親密度
,
メダカ
,
神経発達障害
,
UPA-seq
Keyword:
オキシトシン
,
親密度
,
メダカ
,
神経発達障害
,
UPA-seq
pp.21-25
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760010021
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社会性を営む一部の動物は,親密な個体と親密ではない個体とを識別(社会認知)し,親密度に伴い行動を変化させることで社会適応すると考えられている。ヒトではこのシステムの異常と自閉症などの精神疾患との関係性に近年注目が集まっており,分子神経メカニズムの解明が進められている。なかでも,神経ペプチドの一つであるオキシトシンは,ヒトや齧歯類において社会認知や社会性行動を制御するとの報告があり,自閉症薬としても注目されているが,そのメカニズムについてはいまだ不明な点が多く残されている。
本稿では,モデル動物であるメダカを用いて,オキシトシンと親密度依存の社会性行動(配偶者選択)との関係を検証し,その分子神経メカニズムにアプローチした筆者らの研究1)について紹介したい。そして当該研究を発展させるうえで,今後取り入れる予定の新しい研究手法についても紹介したい。
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