特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅲ 専門医への紹介が必要な皮膚疾患
色素性乾皮症
森脇 真一
1
1大阪医科薬科大学医学部皮膚科
pp.258-264
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000986
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診療のポイント
■色素性乾皮症(XP)は小児に好発する常染色体潜性(劣性)遺伝性の重篤な光線過敏症である.
■XPには遺伝的に異なる相補性群(A~G群,バリアント型)があり,わが国では神経症状を伴う最重症型のA群が55%を占める.
■XP患児では日光曝露のたびにサンバーン様の強い紅斑反応が出現し,その後雀卵斑様の小色素斑,萎縮,粗造化などの「光老化」が徐々に進行し若年齢で皮膚がんが多発する.
■乳児期からの雀卵斑様の色素斑,激しい光線過敏症状に加え精神運動発達の遅れや難聴を伴えばXP(特にXP-A群)を強く疑う.
■XPの早期確定診断は早期から紫外線対策を可能にし,皮膚症状の進行抑制や合併症への適切な対応を可能にする.
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