特集 地味に進化している⁉ 定番の婦人科診療をブラッシュアップ
I.子宮疾患および月経関連疾患
3.子宮頸部異形成・子宮頸部上皮内がん
森定 徹
1
,
浅野 史男
1
1杏林大学医学部 産科婦人科学教室
キーワード:
子宮頸部異形成
,
上皮内がん
,
CIN
,
HPV
Keyword:
子宮頸部異形成
,
上皮内がん
,
CIN
,
HPV
pp.1322-1325
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001436
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要旨
子宮頸がんの発がんにおいては,その要因としてHPVの持続感染が重要であり,前がん病変としての子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)を経て段階的に発生すると考えられている.CINの管理としては,CIN1やCIN2の多くは24カ月以内に自然退縮するとされており1),経過観察になることが多い.「産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023」2)では,CINのなかで治療適応となるのはCIN3のほかCIN2のうち,①1〜2年のフォローアップにおいて自然消失しないもの,②HPV16,18,31,33,35,45,52,58のいずれかが陽性の場合,③患者の強い希望がある場合,④継続的な受診が困難な場合とされている.CINは生殖可能年齢の女性に多く発症することから,適切な診断と侵襲の少ない治療が望まれている.治療介入を考える際は妊孕性や周産期予後の観点を念頭におく必要がある.

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