特集 胎盤を多角的に理解する
5.胎盤に由来する細胞外小胞の意義と周産期病態における役割
橋本 彩子
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
キーワード:
細胞外小胞
,
エクソソーム
,
妊娠高血圧腎症
Keyword:
細胞外小胞
,
エクソソーム
,
妊娠高血圧腎症
pp.495-500
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001177
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要旨
細胞外小胞(EV)は多くの細胞から分泌される膜小胞であり,細胞間コミュニケーションを行う.胎盤由来のEVは妊婦の血中を循環し,母体が妊娠に適応するための胎盤-母体臓器連関を担う可能性がわかってきた.胎盤由来EVは妊娠中の免疫寛容に寄与し妊娠の維持にかかわること,および妊娠高血圧腎症や妊娠糖尿病などの産科疾患の発症にかかわる可能性が報告されている.また.体液中のEVは患者の病態を反映するバイオマーカーとしての利用も期待されている.

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