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第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
実臨床を目指して
細胞外小胞研究のあり方と臨床研究への応用
Extracellular vesicle research:current perspectives and clinical application
吉岡 祐亮
1
Yusuke YOSHIOKA
1
1東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療研究部門
キーワード:
医療応用
,
エクソソーム
,
MISEV
,
創薬
Keyword:
医療応用
,
エクソソーム
,
MISEV
,
創薬
pp.828-834
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090828
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細胞外小胞(EVs)は,この10年でひとつの研究分野を作り上げたといえる.その理由のひとつとして飛躍的な論文数の増加があげられ,多くの研究者がEV研究に携わっていることがわかる.また,EV研究は単に生物学の分野にとどまらず,工学,医学や食品などの農学分野にまで,多岐の分野にまたがって研究が行われていることが論文数の増加にもつながっている.しかし,“EVs” というものの定義づけですら一筋縄ではいかない状態である.そこで,国際細胞外小胞学会(ISEV)がEV研究の旗振り役となり,MISEVなどの手引き書のようなポジションペーパーを発行し,EV研究の発展に貢献している.さらに近年では,医療応用を目指したEV研究が盛んで,多くの企業もEV研究に参入している.現在,各国でEVsを基盤とした治療薬開発に向けた臨床試験が行われているが,承認を得られた製剤はまだ存在していない.しかし,並行して各国でガイドラインの整備などが行われるなど,EV治療用製剤の誕生に期待が寄せられている.
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