特集 胎盤を多角的に理解する
4.低分子薬物と生物学的製剤の胎盤透過制御
登美 斉俊
1
1慶應義塾大学薬学部薬剤学講座
キーワード:
胎盤関門
,
トランスポーター
,
Fc受容体
Keyword:
胎盤関門
,
トランスポーター
,
Fc受容体
pp.489-493
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001176
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
薬物の胎児移行性の指標である胎児血/母体血濃度比は,胎盤関門に発現するトランスポーターや受容体など,担体を介した胎盤透過の影響を強く受ける.たとえば,高分子である生物学的製剤は,サイズの大きさから多くは胎盤透過できないが,Fc受容体に認識される抗体医薬品は胎盤をトランスサイトーシスで透過するため,胎児移行性が高い.低分子薬物と高分子の生物学的製剤のそれぞれについて,胎盤関門を介した薬物の胎児移行制御メカニズムを紹介する.

Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.