特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(3)婦人科続編
Ⅱ.女性医学
10.骨盤臓器脱のリスクになるのに経腟分娩や子宮全摘はこのまま継続していいの?予防法は?
古山 将康
1
,
井上 裕太
1
,
田村 一富
1
1医療法人藤井会石切生喜病院婦人科
キーワード:
骨盤臓器脱
,
経腟分娩
,
子宮全摘
Keyword:
骨盤臓器脱
,
経腟分娩
,
子宮全摘
pp.413-418
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001094
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要旨
骨盤臓器脱(POP)の重要な誘発因子として経腟分娩や子宮全摘出手術があげられる.出産率の減少,帝王切開率の上昇は経腟分娩を少なくしているが,多因子疾病であるPOPの発症を予防する効果は限定的である.同様に鏡視下手術による子宮温存の手術の増加も子宮全摘後の腟脱発症の予防には限定的である.しかし,性機能の維持やボディイメージの改善は精神的にも重要であり,女性のQOL維持に寄与する.分娩や手術に続発する骨盤底臓器機能障害を含めたインフォームド・コンセントが必要である.

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