特集 産婦人科における素朴な疑問と解説（3）婦人科続編
Ⅰ．婦人科一般
2．どうして排卵する卵胞は1個なの？ほかはもう排卵しないの？
佐藤 はづき
1
,
髙井 泰
2
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター母体胎児部門
2埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
キーワード：
follicular wave theory
,
ランダムスタート法
,
DuoStim法
Keyword:
follicular wave theory
,
ランダムスタート法
,
DuoStim法
pp.363-368
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001085
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要旨
単一排卵は，卵胞のリクルートメントからはじまる卵胞の発育，主席卵胞の選択によって行われる．卵胞は胎生期から発育を開始するが，思春期以降に排卵されるまで長期間停止状態にある．主席卵胞はほかの卵胞よりFSH感受性が高いため選択され，これにより1周期1個の主席卵胞の排卵となる．AYA世代のがん患者で妊孕性温存目的の卵子凍結や胚凍結が行われるようになったが，短期間に複数個の卵子獲得が必要となる．近年は「follicular wave theory」に基づき，月経周期とは無関係に複数個の採卵が可能となっている．
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