特集 母児を感染から守る―妊産婦の感染症アップデート―
Ⅱ.注意すべき母子感染症
11.梅 毒
中本 貴人
1
1国立国際医療研究センター病院 エイズ治療・研究開発センター
キーワード:
妊娠期梅毒
,
先天梅毒
,
ペニシリン系抗菌薬
Keyword:
妊娠期梅毒
,
先天梅毒
,
ペニシリン系抗菌薬
pp.1147-1154
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000896
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要旨
梅毒は梅毒トレポネーマによる感染症である.近年急増しており,2022年にはじめて1万例を超え,2023年には15,000例弱まで増加した.これにより先天梅毒もここ数年は年20例前後であり,2023年は37例とほぼ倍増した.妊婦と非妊婦で症状に差異はないが,妊娠期梅毒の大部分が無症候性であり,血清学的検査が非常に重要である.妊娠初期だけでなく,妊娠後期と分娩時の検査も推奨される.妊娠期梅毒治療の目標は先天梅毒予防であり,治療薬はペニシリン系抗菌薬のみである.
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