今月の臨床 周産期の感染症―管理と対策
垂直感染の管理と対策
8.梅 毒
武内 享介
1
1神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座 女性医学分野
pp.69-71
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100500
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
病原体
梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum : Tp)を病原体とする全身性,慢性感染症である.Tpは細菌に分類され,スピロヘータ科,トレポネーマ属に属する.形態学的には,長さ6~20 mm,直径0.1~0.2 mmの活発に回転や屈曲を行う微生物である.温度や湿度といった環境の変化に弱く,殺菌剤で簡単に死滅する.1998年に全ゲノムのDNA配列が決定された1).現在までペニシリン耐性株出現の報告はない.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.