14．婦人科手術における静脈血栓塞栓症予防に関する最新知識

要旨

　婦人科手術における静脈血栓塞栓症（VTE）予防は必須の管理といえる．婦人科疾患は骨盤内を占拠し，血流うっ滞をきたすため血栓リスクは高い．術前にリスクを評価し，適切な予防法を実施することが重要である．予防法には，理学的予防法と抗凝固療法があるが，それぞれに注意点や副作用があり，理解して実施したい．近年，米国のガイドラインは，婦人科がん術後4週までの抗凝固療法継続を推奨している．現時点でわが国における適用は困難であり，退院後のVTE発症にも留意する必要がある．