増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
5章 疾患まとめ
深部静脈血栓症(DVT)/肺血栓塞栓症(PE)
荻原 義人
1
,
土肥 薫
1
,
伊藤 正明
1
1三重大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
深部静脈血栓症
,
肺血栓塞栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
Dダイマー
Keyword:
深部静脈血栓症
,
肺血栓塞栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
Dダイマー
pp.1111-1115
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209122
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疾患概念
肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTEまたはPE,本稿ではPEを用いる.なお,本稿でのPEは急性PEを指す)と深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)は一連の病態と考えられており,まとめて静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)と呼ばれる.
四肢の筋膜より深層を走行する深部静脈に発生した血栓症をDVTと呼び,それより中枢側に位置する腸骨静脈,下大静脈,鎖骨下静脈,腕頭静脈,上大静脈,さらに内頸静脈に発生した血栓症もDVTに含まれる.静脈血栓が遊離し,塞栓子として肺動脈を閉塞した結果,PEを発症する.PEの塞栓源の約90%は下肢あるいは骨盤内の静脈由来とされる1).
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