特集 血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
Ⅲ.薬物療法と留意点
15.産後出血に対するトラネキサム酸の適切な投与法
竹田 純
1
1順天堂大学産婦人科学講座
キーワード:
産科危機的出血
,
産科DIC
,
トラネキサム酸
Keyword:
産科危機的出血
,
産科DIC
,
トラネキサム酸
pp.1153-1157
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000418
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要旨
2017年にWoman studyが発表されて以降,産科領域でのトラネキサム酸の使用について再注目されるようになった.特に産科DICや産科危機的出血への対応としてトラネキサム酸を投与することは重要である.トラネキサム酸はフィブリンを分解するプラスミンを阻害する薬剤であり,線溶系の亢進を止めることにより止血に至る.実臨床では1gのボーラス静注投与後に追加の1gを持続静注する方法がよいとされている.しかし,出血の開始から3時間以内の投与でないと効果はないため注意が必要である.
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