特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
C.分 娩
3.産後の異常出血
石川 源
1
,
桃野 友太
1
,
今井 紀昭
1
1宮城県立こども病院産科
pp.126-133
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000146
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Point
4Ts(Tone, Trauma, Tissue, Thrombin)は分娩後異常出血を病因別に整理するのに役立つ1).分娩第3期の積極的管理が予防に役立つとされる2).ショックインデックス(SI)は左室1回仕事量と逆相関し左心機能を反映する3).バイタルサイン異常に至るような止血困難状態では血液凝固・線溶系の異常をきたしている可能性が高く,希釈性凝固障害と消費性凝固障害が代表的な病態である.今後はポイントオブケアテスト(POCT)に基づいたMTP(massive transfusion protocol)の発動が望まれるが,病態把握を前提に産婦人科診療ガイドラインや産科危機的出血への対応指針に基づいた対応が基本となる.基幹施設と一次医療施設とが連携し検査機器や医療資源を補完しながら地域の実情に合わせた妊産婦安全バンドルを構築していくことが期待される.
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