特集 超音波がもたらす産婦人科診療の新機軸
Ⅲ.POCUSの実際
14.術後管理におけるPOCUS
泉 顕治
1
,
石本 人士
1
1東海大学医学部専門診療学系産婦人科学領域
キーワード:
POCUS
,
経腹超音波検査
,
術後管理
,
肺水腫
,
水腎症
,
腹腔内出血
Keyword:
POCUS
,
経腹超音波検査
,
術後管理
,
肺水腫
,
水腎症
,
腹腔内出血
pp.201-208
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000049
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要旨
産婦人科の術後管理においても,ベッドサイドですぐにパッと行う超音波検査であるpoint-of-care ultrasonography(POCUS)は有用である.本稿では4つの場合(術後出血,下肢深部静脈血栓症,術後肺水腫,術後尿管閉塞)についてPOCUSを行う際の観察部位や注意点などについて述べる.腹腔内出血はモリソン窩,ダグラス窩,左横隔膜下,両側傍結腸溝の順に溜まっていくと考えられ,どこの部位まで溜まったかを観察することによって,腹腔内出血量のおおまかな推定を行うことができる.下肢深部静脈血栓症のスクリーニングのためには,鼠径部と膝窩の静脈および分岐部を観察し,静脈に圧迫を加え形態が変化するか否かで行う.術後肺水腫の診断ではアーチファクトの所見(A-line陰性,B-line陽性)に着目する.軽度の水腎症では,腎洞の中心部エコー内に無エコー像(中心部エコー解離)が出現する.
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