これ一冊ですべてわかる消化器超音波検査
Ⅴ POCUS ③ 腹部POCUS と卒前・卒後教育
太田 智行
1
1国際医療福祉大学病院放射線医学講座
キーワード:
CT 依存医療
,
CT 大国
,
POCUS
,
腹部POCUS
,
医学教育
Keyword:
CT 依存医療
,
CT 大国
,
POCUS
,
腹部POCUS
,
医学教育
pp.1157-1160
発行日 2020年8月7日
Published Date 2020/8/7
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001299
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日本は2018 年の経済協力開発機構(Organizationfor Economic Co‒operation and Development;OECD)の報告でも,人口当たりのcomputed tomography(CT)装置の保有台数は世界第1 位であった.1980 年代から,日本は世界第1 位を維持している特殊な国である.一般的に海外では検査料は高額であるが,日本では比較的安価な設定となっており,償還に支障をきたさないよう検査件数を増やすような経営圧力がかかる仕組みになっている.結果として,日本には最前線の医師がCT 検査をかなり安易に使用することが許容される土壌となった.とくに1990 年代以降,multi‒detector rowcomputed tomography(MDCT)の時代となって,CT 検査時間が大幅に短縮されると,急性期医療においては,被曝の影響をとくに考慮せねばならない小児と妊婦以外でのCT first はほぼ定着し,心臓を除く領域での超音波検査離れは確実に進んだ.
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