術前術後管理
Esmarch駆血帯による肺移植後閉胸困難例の管理
二萬 英斗
1
,
大藤 剛宏
,
大谷 真二
,
杉本 誠一郎
,
山根 正修
,
宗 淳一
,
三好 新一郎
1岡山大学 呼吸器外科
キーワード:
開胸術
,
強皮症-全身性
,
止血帯
,
術後合併症
,
術後管理
,
心不全
,
肺移植
,
肺水腫
,
ECMO
,
肺線維症-特発性
,
家族性および特発性肺高血圧症
Keyword:
Heart Failure
,
Postoperative Care
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Edema
,
Scleroderma, Systemic
,
Tourniquets
,
Thoracotomy
,
Extracorporeal Membrane Oxygenation
,
Lung Transplantation
,
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
,
Familial Primary Pulmonary Hypertension
pp.884-887
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000768
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症例1:32歳女。特発性肺線維症に対し両側脳死肺移植を行った。なお、移植肺は患者の胸郭よりやや大きめであった。術後、移植肺に虚血再灌流障害による肺水腫が生じ、柔軟性を失い胸腔内に納まらなくなったため、Esmarch駆血帯を用いて仮閉胸した。移植肺の浮腫が改善して肺が柔軟性を取り戻すのを待ち、術後3日に閉胸した。症例2:40歳女。原発性肺高血圧症に対し両側生体肺移植を行った。術後、左心不全のため大動脈送血、右房脱血によるextracorporeal membrane oxygenation(ECMO)を導入し、Esmarch駆血帯で仮閉創した。心不全は軽快し、術後2週にECMOを離脱し閉胸した。症例3:38歳男。強皮症に伴う間質性肺炎に対し脳死右片肺移植を行った。虚血再灌流障害のため右鼠径部からVA ECMOを導入した。全身heparin化に起因する血腫、high PEEPによる続発性気胸のためEsmarch駆血帯で仮閉胸した。経過中13回の再開胸を要したが、移植肺の状態改善を待ち、術後27日にECMOを離脱し閉胸した。
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