特集 感染症を鑑別したあとは? 非感染性腸炎を見極める!
代表的な非感染性腸炎の診療と紹介時の見極めかた
非特異性多発性小腸潰瘍症・家族性地中海熱遺伝子関連腸炎
我妻 康平
1
,
横山 佳浩
1
,
仲瀬 裕志
1
1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
家族性地中海熱遺伝子関連腸炎
,
炎症性腸疾患
,
SLCO2A1遺伝子
,
MEFV遺伝子
Keyword:
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
家族性地中海熱遺伝子関連腸炎
,
炎症性腸疾患
,
SLCO2A1遺伝子
,
MEFV遺伝子
pp.323-328
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000615
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Headline
・非特異性多発性小腸潰瘍症(CEAS)は,病理組織学的に特異的所見を伴わない多発小腸潰瘍を特徴とする疾患であり,SLCO2A1遺伝子変異に起因する.
・家族性地中海熱(FMF)は周期性発熱と漿膜炎を特徴とする遺伝性自己炎症性疾患であり,MEFV遺伝子が責任遺伝子である.
・FMFは漿膜炎が主体であるため腸管病変を伴うことはまれとされてきたが,近年,炎症性腸疾患(IBD)に似た消化管病変を有するMEFV遺伝子変異陽性のMEFV遺伝子関連腸炎の報告が増加している.
・CEAS,MEFV遺伝子関連腸炎ともに感染性腸炎を除外したあと,IBDやその類縁疾患との鑑別が必要となる疾患である.遺伝子検査の普及により,近年報告が増えている.
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