特集 ポストコロナ時代の感染症診療
第V章 ポストコロナ時代に重要な薬剤耐性菌・微生物
6 カルバペネマーゼ産生菌
原田 壮平
1
1東京大学医学部附属病院感染制御部
pp.330-333
発行日 2023年3月23日
Published Date 2023/3/23
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000187
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Summary
1.カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)が産生するカルバペネマーゼには様々な種類があり,世界的にはKPC型を産生する細菌が最多であるが,日本ではIMP型を産生する細菌が大多数を占める.
2.CPEの一部は通常の薬剤感受性試験においてはカルバペネムに対して感性を示すことに注意が必要である.
3.海外のCPE感染症の標準治療薬はコリスチン,チゲサイクリンを含めた多剤併用療法からavibactamなどの新規β-ラクタマーゼ阻害薬を配合したβ-ラクタム薬に変化しつつある.
4.日本に多いIMP型CPEは海外型のCPEと比較して薬剤感受性が良好である.
5.CPEの院内拡散を防ぐために検出患者に対する接触感染対策や高リスク患者に対する積極的監視培養を実施する必要がある.
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