臨床医からの質問に答える
CRE(カルバペネム耐性腸内細菌目細菌)とCPE(カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌)はどう違うのですか?
原 稔典
1
1広島大学病院診療支援部臨床検査部門
pp.1242-1247
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209507
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はじめに
近年,感染症治療の切り札として使用されているカルバペネム系薬に耐性を示す腸内細菌目細菌(carbapenem-resistant Enterobacterales:CRE)が,問題となっている.日本においては2014年9月から感染症法の5類感染症に指定され,届出対象となっている.届出対象指定から約10年が経過するが,米国疾病予防管理センター(CDC)や感染症専門医も危機感を強めており,マスコミでは“nightmare bacteria(悪夢の耐性菌)”として注目され,医療関連感染における重大な脅威をもたらす感染症として位置付けられている.中でも,カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(carbapenemase-producing Enterobacterales:CPE)は,感染対策および疫学上,特に注意が必要である.
本稿ではCREに加え,混同しがちなCPEについて,両者の違いや検出状況,治療や感染対策でどのような点に注意が必要かを解説する.
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