特集 ポストコロナ時代の感染症診療
第IV章 ポストコロナ時代に重要な新興・再興感染症
4 マラリア
齋藤 真
1
1東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科
pp.288-292
発行日 2023年3月23日
Published Date 2023/3/23
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000177
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Summary
1.マラリアはハマダラカのメスにより媒介される寄生虫(原虫)感染症であり,熱帯から温帯まで広く分布している.
2.わが国においてマラリアはまれな輸入感染症であるが,熱帯熱マラリアでは診断・治療の遅れは先進国においても致死的経過を取り得る内科的救急疾患である.
3.マラリアの診断は末梢血塗抹検査が用いられ,寄生虫量の評価,感染種の同定,治療効果判定が可能である.
4.マラリアの治療は重症度,感染種,感染地域に応じて異なり,それらを評価し速やかに開始する必要がある.
5.マラリアの予防は,個々人の渡航内容に応じたリスクの把握,蚊対策,および化学予防(抗マラリア薬の予防内服)から成り立つ.
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