特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
感染症関連検査
微生物の抗原・抗体検査
マラリア
金子 明
1,2,3,4
1カロリンスカ研究所感染症学
2Malaria Research Laboratory M9-Plan2
3Karolinska University Hospital S-171 76 Stockholm Sweden
4東京女子医科大学国際環境・熱帯医学教室
pp.410-412
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101848
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
マラリアは人類にとって最も古く,かつ今なお最も重要な健康問題の1つである(金子 2005).2002年時点で世界の22億人が熱帯熱マラリアの脅威にさらされており,そのうち約5億人が臨床的に発症したと推定された.またマラリアによる死亡は世界全体で年間100~300万人に上り,サハラ以南アフリカの小児に集中する.日本国内でも1955年ぐらいまで土着媒介蚊によるマラリア伝播があった.近年,マラリアは国際化に伴う輸入感染症として重要度を増している.また輸血によるマラリアも稀に発生する.
免疫のない邦人にとって,マラリアは死に至る可能性のある急性疾患であるが,一方,化学療法薬により根治可能な疾患である.重症化を抑え,マラリア死を防ぐためには早期診断が要であり,以下のポイントが重要となる.
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