特集 ポストコロナ時代の感染症診療
第IV章 ポストコロナ時代に重要な新興・再興感染症
3 エボラ出血熱
古宮 伸洋
1
1日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部
pp.284-287
発行日 2023年3月23日
Published Date 2023/3/23
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000176
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Summary
1.エボラウイルスにはザイール,スーダン,ブンディブギョ,タイフォレスト,レストン,ボンバリの6種がある.
2.ヒトからヒトへの主な感染経路は体液との接触である.唾液中からウイルスが検出されることがあり飛沫感染の可能性は考えられるが,空気感染についてはよくわかっていない.
3.症状は発熱など非特異的であり,症状のみでエボラ出血熱と診断することは困難である.疑うためには渡航歴などの接触歴が重要である.
4.治療の中心は補液など症状に合わせた全身管理であるが,2種類の抗体薬が有効である.
5.曝露後予防としてワクチンが非常に有効であり,職業感染リスクのある場合には曝露前予防目的での使用も検討される.
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