検査と主要疾患・29
マラリア
海老沢 功
1
1東大医科研・熱帯疫学研究室
pp.552-553
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908980
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マラリアの診断は,マラリアを疑って標本を見ることと,pH 7.2のリン酸緩衝液で血液を染めることの2つを実行すれば容易である.マラリアのため発熱のある患者であれば必ずしも濃塗標本を必要としない.濃塗標本ではマラリア原虫がいることは分かっても,種の診断がつけにくいことがある.薄層標本で,白血球を200個数えるぐらい視野を動かしてゆけば熱のある患者なら必ずマラリア原虫は見つかる.その間にマラリア原虫が見つからなければその熱はマラリア以外のものと考えてよい.ヒトのマラリア原虫には次の4種類があるがその発育段階によって所見が異なるので代表的なものを図示する.
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