連載 心電図は1枚の窓・第22回
失神を主訴に受診した86歳男性
吉賀 康裕
1
1山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学
pp.297-298,415-417
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000081
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症例
86歳男性.慢性閉塞性肺疾患のため呼吸器内科に通院中.自宅で電話中に失神し,頭部を打撲した.翌日,机に向かっている際に失神・尿失禁をきたしたため,外来を受診した.診察時には血圧は118/70mmHgと安定している.
P波,PQ間隔,QRS幅が各々延長,拡大しており,心房内伝導遅延とともに心室内伝導障害が複数の脚枝にあることが推測される.右脚ブロックとともに左軸偏位が存在することから左脚前枝にも伝導障害が存在する可能性がある.逆に右軸偏位であれば左脚後枝に伝導障害が存在する.またPQ間隔が0.2秒以上であり,定義上I度房室ブロックと診断される(図).
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