特集 フレイルとその予防対策
フレイルの病態と新たな知見 フレイルと自律神経機能
柴崎 孝二
1
1旭神経内科リハビリテーション病院
キーワード:
Adrenergic Beta-Antagonists
,
交感神経系
,
自律神経系疾患
,
日光療法
,
Leptin
,
フレイル
,
高レプチン血症
,
病態生理
Keyword:
Autonomic Nervous System Diseases
,
Frailty
,
Heliotherapy
,
Adrenergic beta-Antagonists
,
Sympathetic Nervous System
,
Leptin
pp.313-317
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2020187173
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<Headline>1 自律神経には交感神経と副交感神経があり、加齢とともに両者の機能は低下する。病気の発症とともにさらに自律神経機能は低下し、特に交感神経機能の低下はフレイルの発症と関連する。2 フレイル高齢者は血中レプチン濃度が上昇している。血中レプチン濃度上昇は炎症を惹起し、筋疲労、筋肉量減少、食欲低下を引き起こす。さらにフレイルでは交感神経機能低下によりフィードバック作用が低下し、血中レプチン濃度が高値を維持する。3 フレイルからの脱却や予防には、交感神経機能の活性化が必要である。寝ている状態より座位や立位のほうが交感神経は活性化され、また日光浴や日中の活動量を上げると交感神経機能は活性化される。4 高齢者における交感神経β受容体遮断薬の使用は、骨折のリスクを約2倍高くする。β受容体刺激薬はラットにおいて筋肉量を増加させるが、ヒトではまだ応用されていない。
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