特集 フレイルとその予防対策
フレイルの病態と新たな知見 フレイルと口腔機能 オーラルフレイルの視点から
平野 浩彦
1
1東京都健康長寿医療センター病院 歯科口腔外科
キーワード:
嚥下障害
,
口腔保健
,
重症度指標
,
ヘルスリテラシー
,
摂食機能障害
,
オーラルフレイル
Keyword:
Oral Health
,
Severity of Illness Index
,
Deglutition Disorders
,
Health Literacy
pp.319-325
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2020187174
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<Hadline>1 様々な社会状況の変化(少子高齢化や歯科医療技術等の進展など)に伴い、歯科を取り巻く環境は急速に変化し、8020運動達成者は5割(2016年)を超えた。2 高齢期歯科口腔保健事業において、歯数(現在歯数)に加え口腔機能に焦点化した概念の考案が必要視され、その概念としてオーラルフレイルが日本発の概念として提唱された。3 オーラルフレイルは、口に関するささいな衰えを放置したり、適切な対応を行わないままにしたりすることで、口の機能低下、食べる機能の障害、さらには心身の機能低下まで繋がる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らした概念である。4 オーラルフレイルは、「第1レベル 口の健康リテラシーの低下」「第2レベル 口のささいなトラブル」「第3レベル 口の機能低下」「第4レベル 食べる機能の障がい」という4つのレベルから構成されている。5 「第2レベル」はオーラルフレイル予防において国民啓発すべき重要な段階であり、「第3レベル」は診療報酬改定(平成30年度)において新たに診療報酬請求の際に使用可能な新病名「口腔機能症」と診断される段階に該当する。
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