特集 明らかになる褐色脂肪組織の機能:今、第三の細胞が目覚める
臓器連関による褐色脂肪細胞の制御機構
山田 哲也
1
,
片桐 秀樹
1東北大学 大学院医学系研究科代謝疾患医学コアセンター代謝疾患学分野
キーワード:
フィードバック
,
エネルギー代謝
,
エネルギー摂取量
,
肝臓
,
交感神経系
,
迷走神経
,
Leptin
,
熱産生
,
PPAR Gamma
,
褐色脂肪細胞
,
ミトコンドリア脱共役タンパク質1
Keyword:
Uncoupling Protein 1
,
Energy Intake
,
Energy Metabolism
,
Feedback
,
Liver
,
Sympathetic Nervous System
,
Vagus Nerve
,
Leptin
,
Thermogenesis
,
Adipocytes, Brown
,
PPAR gamma
pp.774-777
発行日 2013年6月22日
Published Date 2013/6/22
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褐色脂肪組織(BAT)はUCP-1の発現に特徴づけられる熱産生に特化した脂肪組織である.また,その熱産生の調節においては,交感神経が主要な役割を担っている.BATは,熱産生を担っている性質からして明らかなように,体温の恒常性維持において重要であり,寒冷誘発性熱産生の研究が先行して発展してきた .さらに近年,褐色脂肪細胞が食事誘発性熱産生(DIT)に果たす役割,すなわち個体のエネルギー摂取に呼応するエネルギー消費の調節において重要な役割を果たしていること,またそのメカニズムが明らかとなってきている.エネルギー摂取とエネルギー消費のバランス制御機構の解明は,体重調節メカニズムの本質を明らかにするのみならず,肥満の予防,治療の観点からも重要である.本稿では,交感神経を介してBATのDITを調節する臓器連関を解説する.
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