特集 小児における抗菌薬適正使用―最新の考え方からのアプローチ
◉小児における抗菌薬の選び方・使い方―病態・治療・予防の実際
①インフルエンザ菌感染症
中野 貴司
1
1川崎医科大学 総合医療センター 小児科 教授
キーワード:
侵襲性感染症
,
Hibワクチン
,
無莢膜株
,
中耳炎
,
薬剤耐性
Keyword:
侵襲性感染症
,
Hibワクチン
,
無莢膜株
,
中耳炎
,
薬剤耐性
pp.114-119
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000037
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Summary
小児期感染症の原因として,インフルエンザ菌は最も重要な細菌のひとつである。莢膜株と無莢膜株があり,b型の莢膜を持つHibは髄膜炎など侵襲性感染症の起因菌として頻度が高い。Hibは生命予後にも関わる病原体であるが,ワクチンによる予防が可能であり,生後2ヵ月からのHibワクチン接種を心がける。無莢膜株は呼吸器粘膜の感染症を引き起こすことが多く,年少児ではしばしば中耳炎をきたす。耐性菌は複数種類あるが,疾患の重篤度,薬剤感受性,組織移行などを考慮し,抗菌薬の適正使用を実践したい。
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