特集 重症化に注意! 口腔・咽頭・喉頭の急性感染症
急性喉頭蓋炎
小児の急性喉頭蓋炎
有本 友季子
1
Yukiko Arimoto
1
1千葉県こども病院耳鼻咽喉科
キーワード:
小児
,
急性喉頭蓋炎
,
Hibワクチン
,
Hib感染症
Keyword:
小児
,
急性喉頭蓋炎
,
Hibワクチン
,
Hib感染症
pp.1457-1460
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000372
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はじめに
急性喉頭蓋炎は,上気道の細菌感染により喉頭蓋およびその周辺の喉頭に蜂窩織炎を生じた状態で喉頭蓋に急性化膿性炎症を生じ喉頭蓋腫脹を呈す。急性喉頭蓋炎は,インフルエンザ菌b型Haemophilus influenzae type b(Hib)の感染に起因した発症が多く,小児の好発年齢は5歳未満であることが知られてきた1)。本邦では,Hibワクチンが2013年に定期接種になり普及し,2014年以降は小児のHib感染症は激減し,急性喉頭蓋炎の小児症例に遭遇することは稀となった1,2)。しかしながら,急性喉頭蓋炎は急激に進行し呼吸困難を引き起こして致死的となりうる疾患であり,乳幼児の重症な気道感染症の1つとして常に念頭におく必要がある。また気道感染症によるもの以外でも喉頭蓋に浮腫を生じ喉頭蓋腫脹を呈し,急性喉頭蓋炎に準じた迅速な気道確保等の対応が必要となる疾患もある。急性喉頭蓋炎について周知しておくことは,耳鼻咽喉科診療を行う上で重要であり概説する。
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