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連載 臨床医のための微生物学講座・Vol.6
侵襲性B群溶血性連鎖球菌感染症
-――高齢者~新生児/乳児~基礎疾患保有者における疾患のひとつとして
Invasive group B streptococcal infections:one of disease entities among elderlies, neonates/infants, and individuals with underlying medical conditions
髙橋 孝
1
Takashi TAKAHASHI
1
1北里大学大学院感染制御科学府,同大村智記念研究所感染症学研究室
キーワード:
B群溶血性連鎖球菌(GBS)
,
侵襲性感染症
,
高齢者
,
新生児/乳児
,
基礎疾患保有者
Keyword:
B群溶血性連鎖球菌(GBS)
,
侵襲性感染症
,
高齢者
,
新生児/乳児
,
基礎疾患保有者
pp.926-932
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811926
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◎B群溶血性連鎖球菌(GBS)は人の気道/腸管/尿路/腟/皮膚に定着している.一方で,GBSはさまざまな侵襲性感染症(劇症型溶血性連鎖球菌感染症/壊死性筋膜炎/髄膜炎/感染性心内膜炎/感染巣不明な敗血症/肺炎/化膿性関節炎/骨髄炎/蜂窩織炎/皮膚を除く膿瘍など)も惹起する.新生児/乳児では早発型(生後1週以内に発症)と遅発型(生後1週以降に発症)侵襲性感染症を惹起し,早発型発症の予防策が行われる.診断のために,抗菌薬投与開始前に,血液培養2セットの採取とともに,他の無菌的な部位(髄液/胸腹水)からの検体採取や感染巣の組織/異物を採取する.抗菌療法はペニシリン系薬(penicillin G/ampicillin)点滴静脈内投与を第1に選択し,膿瘍への外科的治療(切開⇒排膿/CTガイド下またはエコーガイド下ドレナージ)も考慮する.GBS侵襲性感染症は高齢者(60~70歳代)~新生児/乳児~基礎疾患(糖尿病/悪性腫瘍/肝疾患/心疾患/血液浄化療法施行中を含む腎疾患など)保有者における疾患のひとつとして捉える.
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