特集 小児における抗菌薬適正使用―最新の考え方からのアプローチ
◉新生児における抗菌薬の選び方・使い方
新生児における抗菌薬の選び方・使い方
-―適正使用のための取り組みを含めて
久田 研
1
1順天堂大学医学部 小児科学講座 准教授/順天堂大学医学部附属順天堂医院 感染対策室 副室長
キーワード:
新生児
,
早発型敗血症(EOS)
,
遅発型敗血症(LOS)
,
血液培養
,
抗菌薬の適正使用
Keyword:
新生児
,
早発型敗血症(EOS)
,
遅発型敗血症(LOS)
,
血液培養
,
抗菌薬の適正使用
pp.106-113
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000036
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Summary
新生児の感染症は,症状が非特異的であり,診断基準が確立していない。このため,微々たる非特異的な症状に対して抗菌薬投与が先行し,過剰な抗菌薬投与に繋がりやすい。一方,新生児期の抗菌薬曝露は,それ自体が死亡率の上昇や壊死性腸炎のリスクとなり,将来的な生活習慣病の発症にも関連する。このような新生児独特の背景を理解しながら,非特異的な感染症状に対する遅れのない治療と,抗菌薬の適正使用を両立していく必要がある。そのためにも敬遠されがちな血液培養を適切に採取し,結果に応じて適切に抗菌薬を使用しなければならない。
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